<はじめに>
先日12/14~12/17に名古屋の電気文化会館にて、瑤藍印社一門展が開催されました。
5年ぶりの開催ということで、大変力の入った展覧会となりました。
動員数は600名以上を超え、終日賑っておりました。
ご来場の皆様、この場をお借りし感謝の意を述べたいと思います。
理事・役員の先生方、一般会員の方々の作品や、故中島藍川先生の作品など、見ごたえのある展示となりました。
また、西泠印社120周年の訪中した写真、呉昌碩先生の作品なども展示されました。
私、村尾海心は「百花斉放」作家という、新鋭作家の一員としてスペースをいただき、全紙作品2枚、額作品を展示いただき、たくさんの皆様にご観覧いただきました。
<村尾海心作品説明>
◆額作品(印文:福寿、落款:倣甲骨文字法刻此癸卯晩夏中澣海心)
読売書法展で秀逸をいただいた作品となります。
甲骨文字(最古の書体であり、動物の骨に刻まれているため、直線的な線が特徴)で刻しています。
もちろん、ただの線では味気ないため、墨で書いたときに出る「滲み」も表現しております。
甲骨ならではの力強さを出すために苦心いたしました。
◆全試作品・印屏(印文:福寿、題字:海心印痕)
福壽」という印文の印を15顆押印したものです。
印人の印や、各時代の特徴が表れるよう意識しながら、多種多様な印を刻しました。
印屏の制作経験が少なかったため、レイアウトや配置についても学ぶ貴重ないい機会となりました。
作品に多様性を持たせる方法を学び、今後の制作に生かしたいと思います。
◆全試作品・漢字(臨曹全碑)
呉譲之の臨曹全碑を臨書したものです。
時には露法を用いながら書かれているとともに、臨書として曹全碑の雰囲気を残しながらも自己の作品へと昇華しており、その古典を重んじる姿勢を取り入れたいと考えながら今回の作品を作成しました。
臨書は書だけでなく、篆刻作品にも影響するため、初心を忘れず今後も臨書に励みたいと思います。